もっと知りたいシャンパンのこと|品種から造り方・AOC制度まで

シャンパンとグラス Food

シャンパンの概要

シャンパン(Champagne)は、フランス・シャンパーニュ地方で生産される発泡性ワインです。世界的に有名なスパークリングワインの代表で、祝祭やイベントでよく使われます。

  • 原産地:フランス、シャンパーニュ地方(Aube、Marne、Haute-Marne など)
  • 主なぶどう品種
    • ピノ・ノワール(Pinot Noir)
    • シャルドネ(Chardonnay)
    • ピノ・ムニエ(Pinot Meunier)
  • 特徴
    • 華やかな泡と爽やかな酸味
    • 熟成による複雑な香り(パンやナッツ、トースト香)

ワイン法における取り決め(AOC制度)

シャンパンはAOC(原産地統制呼称)制度で保護されており、生産方法や原材料が厳格に定められています。

1. 原産地と栽培

  • シャンパーニュ地方で栽培されたぶどうのみ使用可能
  • 土壌や気候条件も厳密に規定

2. ブドウ品種:認可品種(計8種)

シャンパーニュ地方でAOCシャンパンに使用できる品種は、主要3種(ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ムニエ)に加えて、5種類の補助的品種が認められており、合計で8品種になります。

分類品種名特徴・用途
黒ブドウピノ・ノワール(Pinot Noir)ボディと骨格を与える。主に主体のブレンドに使用
黒ブドウピノ・ムニエ(Pinot Meunier)早熟で果実味が豊か。フレッシュ感を出す
黒ブドウピノ・ブラン(Pinot Blanc)稀少、柔らかい酸味と繊細さ
黒ブドウピノ・グリ(Pinot Gris)ほのかに香り高く、少量で使用
白ブドウシャルドネ(Chardonnay)華やかさ、長期熟成適性
白ブドウアルバンヌ(Arbane)非常に稀少、香りを補う
白ブドウピノ・オーセロワ(Petit Meslier)果実味と酸味を補う
白ブドウフロール・ブランシュ(Folle Blanche)古典品種、酸味を補う
  • このうち、ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ムニエが生産量の大半を占め、残りの5品種はほとんどブレンド用の補助として使われます。
  • 現代では、8品種すべてを使うシャンパンは非常に稀で、多くは3品種のみで造られます。

3. 発泡性の製造方法

  • 瓶内二次発酵(Méthode Champenoise / Méthode Traditionnelle)が必須
    • 一次発酵後に瓶詰めして糖分と酵母を加え、瓶内で二次発酵を行う
    • これにより自然な泡が生まれる
  • 二次発酵後、澱(おり)を瓶口に集めるルミュアージュ(動瓶)や、澱を除去するデゴルジュマンなどの工程も規定

シャンパンの発泡圧

  • 発泡性ワイン全般では、炭酸ガス圧によって分類されます:
    • 微発泡(Pétillant):約1〜2.5気圧
    • 発泡(Mousseux):約3〜6気圧
  • シャンパン(Champagne)はMousseuxに分類され、瓶内二次発酵で約5〜6気圧に達する
  • この高圧により、細かく持続する泡が生まれ、特有のきめ細かい口当たりになります

標準的なスパークリングワインの多くは約3〜4気圧なので、シャンパンの泡はより強く、安定しているのが特徴です。

4. 熟成期間

  • ノン・ヴィンテージ:最低15か月
  • ヴィンテージ:最低36か月
  • 熟成によって香りや味わいがより複雑になる

5. 生産量の制限

  • ブドウ収量は法律で制限されており、品質維持のため年ごとに上限が決まる

まとめ

  • シャンパンは、特定の地域で、特定の品種を使い、瓶内二次発酵で造られる発泡ワインである
  • AOC制度により、原産地・品種・製法・熟成期間が厳格に規定されている
  • そのため、世界中で「Champagne」と呼べるのはフランス・シャンパーニュ地方のものだけ

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