2025年に発見された彗星「C/2025 A6 (Lemmon)」、通称レモン彗星。その学術名は一見難しそうですが、天文学的には明確なルールに基づいています。本記事では、学術名の意味と命名ルールを分かりやすく解説します。
1. 彗星の学術名とは?
彗星には、発見者や発見地の名前だけで呼ばれる愛称のほか、正式な学術名(国際天文学連合で認定された名前)があります。 この学術名は、彗星を国際的に一意に識別するためのもので、発見年・周期性・発見順序・発見地が組み合わさっています。
2. 「C/2025 A6 (Lemmon)」の各要素の意味
- C/:非周期彗星(周期が200年以上、または初めて観測された彗星)を示す接頭辞。短周期彗星は「P/」が付きます。
- 2025:彗星が発見された年。
- A6:発見時期と順序。「A」は1〜2月に発見されたことを示し、「6」はその期間内で6番目に発見された彗星という意味です。
- (Lemmon):発見地や発見プロジェクト名。今回はアメリカ・アリゾナ州のマウント・レモン天文台で発見されたため「Lemmon」となっています。
まとめると、
C/2025 A6 (Lemmon) は 「2025年1〜2月に発見された非周期彗星で、発見地はマウント・レモン天文台」という学術的に一意な名前です。
3. なぜ学術名が必要なのか
彗星は毎年世界中で多数発見されます。愛称だけでは同じ名前が重複する可能性もあるため、学術名で識別することが国際的に重要です。また、周期性や発見順序も含まれることで、天文学的な研究や追跡観測に役立ちます。
4. 覚えておきたい豆知識
- この彗星は実際に緑色に輝きます。頭部のガス(C₂やCN)が太陽光で発光するため、夜空に幻想的な緑色が見えるのです。
- 名前の「Lemmon」と緑色の見た目が偶然にもマッチしていて、“宇宙が遊び心を見せたような彗星”と話題になっています。
- 非周期彗星なので、この接近後は次の観測機会が数千年先になる可能性があります。
学術名を知ることで、彗星をより深く理解でき、観測や天文学の学びがより豊かになります。C/2025 A6 (Lemmon) も、この命名ルールを知って眺めると、夜空での存在感がぐっと増すでしょう。



