コンテキストエンジニアリングとは、AIに対して「自分の知識・文脈」を正しく理解・利用させるために、情報の整理や提示の仕方を工夫することです。その中でObsidianが中心的な役割を果たします。 Obsidianはリンクやタグで情報同士をつなげやすく、情報の文脈を可視化できるからです。
※この記事にはプロモーションが含まれます。
Obsidianの役割
Obsidianは、情報の文脈や関係性を可視化できるローカルツールで、それをAIに読み込ませると、自分の知識や思考を反映したAIアシスタントとして活用できます。
1. 自分のPC内で直接データを保存できる
通常、クラウドツール(Google DocsやNotionなど)は、データがサーバー上に置かれますが、ObsidianはローカルPC内にMarkdown形式で保存するので、自分のPCに完全に所有権があります。
そのため、オフラインでも使えますし、ファイル操作(コピー、バックアップ、同期)も自由にできます。
2. AIがメモを読み込む
自分のPC上にデータがあるので、外部API経由ではなく直接読み込みが可能です。AIに「このメモを理解させて、次の作業に活かす」といった処理が高速になります。
方法A:Obsidian + AIプラグイン
- Obsidianには「Obsidian AI」や「Text Generator Plugin」などのプラグインがあります。
- これらを使うと:
- Obsidian内のノートを直接AIに渡せる
- AIが質問に答えたり、要約したり、追記したりできる
- メリット:ObsidianのUIのままAIを使える
- デメリット:高度な分析や大量データには向かない場合も
方法B:ファイルをエクスポートして外部AIで処理
- ノートをMarkdownのまま、またはテキストとしてエクスポート
- GPT系AIに「データを読み込ませる」形で使用
例:ベクトルDBに取り込む → LLMにコンテキストとして参照させる - メリット:大量のノートも扱える、検索や分析に柔軟
- デメリット:Obsidian内で直接は動かせない
3. 分身として機能し始める
Obsidianに整理された情報をAIが参照出来れば、例えば以下の事が可能になります。
- 過去のメモやアイデアを元に文章作成
- プロジェクト管理の提案
- 自分の思考を整理する質問への回答
こうしたことが「自分の分身のように」可能になります。
Obsidianは、情報の文脈や関係性を可視化できるローカルツールで、それをAIに読み込ませると、自分の知識や思考を反映したAIアシスタントとして活用できるようになります。
「分身として機能する」とは、AIに自分のノートを読み込ませることで
・自分の書き方、用語、知識体系をAIが理解する
・「自分の知識ベースに即した提案・要約・質問回答」が可能になる
実質的にAIが自分の思考スタイルや情報を学習したアシスタントとして動くイメージです。
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Obsidianを始めてみる
Obsidianをインストール
- 公式サイトからPC版をダウンロードしてインストール。
- インストール後、「新しいボルト(Vault)」を作成。
ローカルPC内のフォルダを保存場所にするか、最初からクラウド同期用のフォルダにしてもOK。
インストールの手順はこちらの記事も参照してください。
ノートを作成する
1. ノートの基本構造
タイトル:学習テーマやトピック名
要約:重要なポイントを短くまとめる
詳細:理解を深めるためのメモや引用
質問:後で確認したい疑問点
2. リンクの活用
内部リンク:関連ノート同士をリンクして知識のネットワークを作る
外部リンク:参考サイトや資料へのリンクを貼る
3. タグと識別子
タグ:#数学 #歴史 など、カテゴリ分けに利用
識別子:ノート内で重要ポイントを簡単に検索できる目印として使用
ノート作成の基本
- Obsidianのノートはすべて Markdown形式。
- 基本ルール:
見出し:# 見出し1
、## 見出し2
箇条書き:- 項目1
内部リンク:[[別ノート]]
- 視覚的整理
見出し:H1、H2、H3で階層を作る
箇条書き:理解を整理するために活用
強調:太字や斜体で重要部分を目立たせる - ポイント:AIに読み込ませる場合は、ノートにわかりやすいタイトルやタグを付けておくと便利。
# 見出し
→ 文章の構造化#タグ
→ノートの分類
Markdownでは 空白の有無で意味が変わる ので、Obsidianでも同じルールが適用されます。
メタデータや識別子を付ける
- ノートの冒頭に「YAML形式」で情報を入れるだけ。
構造化データを人間が読みやすい形式で記述するためのデータフォーマットです。ソフトウェアの設定ファイルやデータのやり取りによく利用され、JSONやXMLと同様に階層構造を持ったデータを表現できます。YAMLはインデント(字下げ)と改行が構造を示す重要な要素であり、コメントは「#」で記述します。
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title: 今日の学び
tags: [AI, Obsidian]
date: 2025-09-04
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今日はObsidianのフロントマターについて理解した。
タグをつけると、あとから検索や整理にとても便利。
上:メタデータ(検索・整理用)
下:本文(実際の内容)
という役割分担になります。
これを付けることで、AIがノートの内容を理解しやすくなります。
ノート記述サンプル
ブログ記事を書くためのサンプルを作成してみました。
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title: ブログ記事
tags: [AI, Obsidian, blog]
date: 2025-09-04
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[[ブログ記事ネタまとめ]]
# タイトル
Obsidianを使って効率的に学習内容を整理する方法
# 要約(AIに頼む用)
ー Obsidianの基本機能とメリット
ー 学習ノートの効率的な構造化方法
ー タグやリンクを使った知識の相互参照
ー デイリーノートやテンプレート活用例
ー 長期的な学習記録と振り返りのコツ
# 詳細(AIに詳しく書かせる用)
## Obsidianの基本機能とメリット
ー ノートはすべてローカルファイルで保存される
ー Markdown形式で書くことで他ツールとの互換性が高い
ー 双方向リンクで知識をネットワーク化できる
## 学習ノートの効率的な構造化方法
ー トピックごとにフォルダを作成
ー ノート間のリンクを貼って関連情報をつなぐ
ー 見出しや箇条書きを活用して情報を整理
## タグやリンクを使った知識の相互参照
ー タグで共通テーマのノートをまとめる
ー [[ノート名]]で別ノートへ直接リンク
ー クエリや検索で必要な情報を瞬時に抽出
## デイリーノートやテンプレート活用例
ー 毎日の学習内容をデイリーノートに記録
ー テンプレートでノート作成を自動化
ー 進捗や感想も一緒に記録して振り返りを容易に
## 長期的な学習記録と振り返りのコツ
ー 定期的にノートをレビューしてリンクを追加
ー 成長の過程を可視化してモチベーション維持
ー 過去ノートから新しい知識の関連性を発見
初めてでも簡単に始めるコツ
- 難しいタグや識別子は最初はなくてもだいじょうぶです。
→「見出し」と「箇条書き」だけでAIは十分理解できます。 - 雛形ノートを1つ作ってコピーして使うと効率的です。
- 慣れてきたら、YAMLでメタデータやタグ管理を追加するとよいでしょう。
Obsidianは「文章を書く+少しルールをつけるだけ」でAIと連携できるので、プログラミング経験はほとんど必要ありません。
