遺伝性不眠症|怖い指定難病FFIのこと

不思議の国のアリスの影絵と背景に時計 Health

不眠症のことを調べていて、致死性家族性不眠症(FFI)という指定難病のことを知りました。
眠ることができなくなりやがて死に至る恐ろしい病気だと知って衝撃を受けました。

原因

致死性家族性不眠症 (Fatal familial insomnia:FFI) とは、脳に異常化したプリオン蛋白が凝集して溜まることによって引き起こされる遺伝性の病気です。
プリオン蛋白は常に体内に存在しているタンパク質です。しかし、プリオン蛋白を作り出す遺伝子配列に異常があると、正常なプリオン蛋白が作られず神経細胞内に異常なプリオン蛋白が産生され、致死性家族性不眠症が引き起こされます。
発症すると、眠れない、夜間の興奮状態、自律神経異常による血圧や体温の変調、幻覚、記憶力の低下などの症状がみられるようになります。進行すると認知症やけいれんなどの症状がみられ、発症から1年ほどで意識不明の状態になるとされています。
(引用元:Medical Note

症状

致死性家族性不眠症は平均して40~50歳頃に発症するケースが多く、発症すると不眠や夜間を中心とした興奮状態、倦怠感、めまい、記憶力の低下、幻覚などの症状がみられるようになります。
また、自律神経バランスの乱れが生じて交感神経が過剰にはたらくようになり、血圧上昇、頻脈、多量の発汗、高体温などの身体的な症状も現れるようになります。進行すると、認知症や体がピクピク動くようなけいれん(ミオクローヌス)などの症状が出現し、やがて全身が衰弱して意識が消失し、寝たきりの状態となります。
(引用元:Medical Note

治療法は未確立

プリオンが蓄積する理由は不明で、予防法も、不眠などの症状を緩和する方法も未だ分かっていません。この病気の研究が進むまで、大半の研究者は視床が睡眠にかかわることすら知らなかったということです。

参考記事

National Geographicマガジンの特集記事で、この病気の遺伝子を受け継ぐ家系の出身の女性兵士の事を取り上げています。読んでみてください。
2010年5月号特集「眠りの神秘」

まとめ

 致死性家族性不眠症は日本では数家系で報告されています。(参考:難病情報センター)
基本的にはその家系の人以外には関係しません。つまり、一般の人にとっては「知識として知っておくことはできるけれど、心配する必要はない病気」です。
とはいえ、 不眠のメカニズムもまだ解明されていないのですから、「眠りたいのに眠れない」というのは由々しき問題ですね。

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