ノーベル賞の決定プロセスと日本人歴代ノーベル賞のまとめ

時事ひとしずく

2025年のノーベル賞発表は10月6日(月)の生理学・医学賞からスタート。
坂口志文(さかぐち しもん)氏 が ノーベル生理学・医学賞 の受賞者のひとりに選ばれたと発表がありました。
そして10月8日(水)は二酸化炭素(CO2)などの気体を自在に分離・貯蔵する多孔性金属錯体(PCP)を作製した京都大理事・副学長で京大特別教授の北川進氏(74)が化学賞に選ばれました。

今まで何人の日本人がノーベル賞を受賞したのでしょうか。年代別に見ていきましょう。

日本人ノーベル賞受賞者一覧(年代別・カテゴリ別・受賞時年齢)※敬称略、他国籍含む

1940〜1960年代

分野受賞者主な業績受賞時年齢
1949生理学・医学賞湯川秀樹中間子理論の提唱(日本人初)48歳

1970年代

分野受賞者主な業績受賞時年齢
1968文学賞川端康成「雪国」などの日本的美の表現67歳
1973物理学賞江崎玲於奈トンネル効果の研究(エサキダイオード)45歳
1974平和賞佐藤栄作非核三原則の提唱など平和への貢献75歳

1980年代

分野受賞者主な業績受賞時年齢
1981化学賞福井謙一化学反応のフロンティア軌道理論57歳
1987生理学・医学賞利根川進抗体の多様性を生み出す遺伝的原理の解明46歳

1990年代

分野受賞者主な業績受賞時年齢
1994文学賞大江健三郎「個人的な体験」など人間存在の省察59歳

2000年代

分野受賞者主な業績受賞時年齢
2000化学賞白川英樹導電性高分子(ポリアセチレン)の開発65歳
2001化学賞野依良治不斉水素化反応56歳
2002物理学賞小柴昌俊超新星爆発のニュートリノ観測(カミオカンデ)68歳
2002化学賞田中耕一ソフトレーザー脱離法による質量分析法43歳
2008物理学賞南部陽一郎素粒子物理学における対称性の破れ77歳
2008物理学賞小林誠CP対称性の破れ理論64歳
2008物理学賞益川敏英CP対称性の破れ理論67歳
2008化学賞下村脩緑色蛍光タンパク質(GFP)の発見75歳

2010年代

分野受賞者主な業績受賞時年齢
2010化学賞鈴木章パラジウム触媒を用いた有機合成反応82歳
2010化学賞根岸英一パラジウム触媒による有機合成74歳
2010化学賞下村脩GFP応用研究80歳
2012生理学・医学賞山中伸弥iPS細胞の発見50歳
2014物理学賞赤崎勇高効率青色LEDの発明85歳
2014物理学賞天野浩高効率青色LEDの発明52歳
2014物理学賞中村修二高効率青色LEDの発明60歳
2015生理学・医学賞大村智抗寄生虫薬イベルメクチンの発見80歳
2016生理学・医学賞大隅良典オートファジーの仕組みの解明70歳
2017文学賞カズオ・イシグロ『日の名残り(The Remains of the Day)』や『わたしを離さないで(Never Let Me Go)』62歳
2018生理学・医学賞本庶佑がん免疫治療(PD-1阻害)の発見76歳

2020年代

分野受賞者主な業績受賞時年齢
2021化学賞真鍋淑郎地球気候モデル化による温暖化予測90歳
2024平和賞日本原水爆被害者団体協議会(被団協)核兵器のない世界を目指す長年の活動と、被爆者の声を世界に伝える努力
2025生理学・医学賞坂口志文制御性T細胞の発見・研究74歳
2025化学賞北川進多孔性金属錯体(PCP)を作製74歳

ノーベル賞の決定プロセス(全体の流れ)

ステップ1:候補者の推薦

  • 各賞の選考委員会が指定する推薦者からのみ推薦が可能
    • 教授、研究者、学会会員、過去の受賞者など
    • 一般の応募や自己推薦は不可
  • 推薦締切は通常 1月31日まで

ステップ2:推薦書の提出・候補者リスト作成

  • 推薦書は詳細な業績説明を含む
  • 選考委員会がすべての推薦書を確認して候補者リストを作成

ステップ3:審査・評価

  • 選考委員会が候補者の研究や実績を精査
  • 外部の専門家(審査委員、アドバイザー)にも意見を求める場合あり
  • 科学賞の場合は論文、業績、影響度、独創性などを詳細に評価

ステップ4:最終決定

ステップ5:授賞式

  • 12月10日(ノーベルの命日)に授賞式を開催
  • 受賞者はメダル・賞状・賞金を受け取る

POINT
  • 秘密厳守:候補者や審査過程は50年間非公開
  • 個人・団体どちらも対象可能
  • 科学的貢献や平和活動など、分野ごとに評価基準が異なる

公式情報ソース

ノーベル賞公式サイト
→ 「About the Prize → Prize-awarding process」で詳細がご覧になれます。


まとめ

2025年のノーベル賞発表はこのあとも続きます。
物理学賞は10月7日(火)、化学賞は8日(水)、文学賞は9日(木)、平和賞は10日(金)、経済学賞は13日(月)です。今後も日本人の受賞者があるか注目したいですね、。

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