1.はじめに
現代社会では、TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSが情報収集や発信の主要な手段となりました。ICT総研の調査によると、2024年末時点で日本のSNS利用者は約8,452万人に達し、ネットユーザー全体に占める割合は79%に上っています。特に、LINE(74.7%)、YouTube(65.4%)、X(旧Twitter)(55.9%)などが高い利用率を示しています。しかしその一方で、フェイクニュースや誤情報の拡散が社会問題化しており、社会的混乱や個人の信用失墜を招くケースも増えています。
2.SNSでの誤情報拡散の仕組み
SNSにおける誤情報拡散の背景にはいくつかの特徴があります。
- アルゴリズムの偏向:SNSはユーザーの興味・関心に基づく投稿を優先表示するため、感情的に強い反応を呼ぶフェイクニュースが広まりやすい。
- バイラル性(口コミの速さ):SNSの「シェア」機能により情報は瞬時に広範囲に拡散し、誤情報も瞬時に拡散する傾向があります
- 匿名性と検証不足:発信者の身元がわかりにくい匿名性や情報の裏付け不足が、誤情報拡散の温床となっています。
例として、新型コロナウイルスの感染に関する誤情報はWHOも警鐘を鳴らしており、健康リスクを高めるケースが報告されています。
3.フェイクニュースを見分けるコツ
- 情報源の確認:信頼できる公式サイトや主要なニュースメディアを優先することが大切です。
- 見出しだけで判断しない:釣り見出しや誇張表現に惑わされず、本文を読む習慣をつけましょう。
- 複数ソースで裏付けを取る:情報を複数の信頼性のあるソースで比較検討することが有効です。
画像・動画の加工に注意
- 画像や動画は加工や切り取りで内容が変わっていることがあります。
- 専門的なツールはハードルが高いので、まずはGoogle画像検索で似た画像を調べたり、スマホの拡大機能で不自然な部分がないか確認したりするだけでも効果的です。
- また、無料で使える動画検証ツール「InVID(インヴィッド)」もありますので、興味があれば試してみましょう。
4.SNSユーザーとしての防止策・心構え
疑う力を持つ
SNSの情報は速報性が高い反面、正確性が担保されない場合があります。
見出しや投稿文だけで判断せず、「これは本当かな?」と一呼吸置くことが大切です。
情報拡散の前に確認を
シェアやリツイートの前に、必ず情報の真偽を調べる習慣をつけましょう。
特に健康や災害、政治に関する情報は誤情報の影響が大きいため注意が必要です。
ファクトチェックサービスを活用してみる
疑わしい情報を見つけたら検索
日本国内の代表的なファクトチェックサイト
・ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ) → https://fij.info/
・Yahoo!ニュース 個人のファクトチェック記事
海外発の情報は、英語サイトも有効
・Snopes → https://www.snopes.com/
・PolitiFact → https://www.politifact.com/
・AFP Fact Check → https://factcheck.afp.com/
検索ワードの工夫
・記事タイトルや特徴的なフレーズを入力。
例:「〇〇 ワクチン 副作用 ファクトチェック」
・海外ニュースはキーワードを英語にして検索。
情報が見つからない場合
まだ検証されていない可能性があります。
この場合は
・信頼できる報道機関(NHK、共同通信、BBCなど)を確認
・公式発表(官公庁・企業公式サイト)を確認
・裏付けが取れるまで拡散を保留
検証依頼をする
・FIJなどは読者から検証リクエストを受け付けています。
・情報提供フォームにURLや内容を送れば、後日検証記事が出る可能性があります。
結果の活用
・正しい情報が確認できたら、SNSや家族・友人にも共有
・元の投稿者に丁寧に事実を伝える
・誤情報を修正する動きに参加することで被害を減らせます
誤情報を見つけたら報告する
・Twitter(X)、Instagram、Facebookなどには通報機能があります。
・プラットフォーム運営が対応することで、拡散防止につながります。
まとめ
SNSの誤情報拡散は、一人一人の注意と行動によって防げます。社会全体で正確な情報共有を目指し、SNSを安全かつ賢く利用していきましょう。